今朝は、いつもより少しだけ早く目が覚めた。
目覚ましが鳴る前に起きると、なんだか一日を得した気分になるのは昔から変わらない。
カーテンを少し開けると、空はまだ完全には起きていなくて、
夜と朝の間みたいな色をしていた。
あぁ、この時間帯は好きだなと思いながら、
とりあえずお湯を沸かす。
コーヒーを淹れる準備をしていると、
昨日の営業のことや、今日の予約の顔ぶれが
頭の中をゆっくり流れていく。
忙しい日も、そうじゃない日も、
結局こうやって朝はちゃんとやってくる。
コーヒーを一口飲んで、
「あ、今日はちょっと濃いな」と思ったけど、
それもまあ悪くない。
外に出ると、
思っていたより空気が冷たくて、
季節がまた一歩進んだことを感じた。
この“一歩分の違和感”を感じられる朝は、
案外大事だったりする。
駅までの道で、
眠そうな顔の学生と、
やたら足取りの軽いサラリーマンと、
犬の散歩をしている人と、
みんなそれぞれの朝を生きている。
ふと、
「この人たちの髪は、今日はどんな気分なんだろう」
なんて、職業病みたいなことを考える。
寝ぐせがついたままの人もいれば、
きっちりセットしている人もいる。
たぶんそれぞれに、
それぞれの理由がある。
美容師をやっていると、
髪型って単なる見た目じゃなくて、
その人の“今”が出るものだなと感じる瞬間が多い。
元気な時は少し攻めたくなるし、
疲れている時は楽な方を選びたくなる。
それはきっと、朝の自分にも同じことが言える。
お店に着いて、
シャッターを上げる前に少しだけ深呼吸をした。
この一瞬で、
仕事モードに切り替わる感覚は、
何年経っても変わらない。
今日も誰かの髪に触れて、
誰かの話を聞いて、
気づけば一日が終わるんだろう。
でも、
こういう何気ない朝があったことを覚えていると、
その一日が少しだけ丁寧になる気がする。
特別なことは起きていないけど、
だからこそ、
今日の朝はわりと好きだった。
そんな朝の話。