6月の独特な湿度にいつもながら不快感を持ちながら街を歩いている。
いつも歩いている道なのに天気だけでこうも左右されるのだろうか。
それとも単に僕自身の気持ちの問題なのか、
今日は横断歩道ではなくて歩道橋を渡りたい気分だったので一段一段その歩みを進めた。
登りきったところで辺りを見回してみるとなんだか全てが小さく見えた。
当たり前だろ、高い位置で見てるのだから。
はっ、とした。
僕が考えていることは今より高い位置から見るととても小さいことなのだと、
でも下を歩いている人たちには目の前のその物の大きさでしか捉えることができない。
その場所にいる時は見えているものの大きさがわかっていないことが多い
僕が抱えるこの悩みや、誰かが感じているあの悩み事は
実は上から見下ろせばたかだか小さな悩みにすぎなくてその本質には実際に気が付いてはいないんだろう。
歩道橋を下りながらだんだん近づいてくるいつもの景色。
安心と共におそらく誰かに見下ろされていると感じるいつもの景色
ちょっとだけいつもより高く空を見上げて
また歩き出した。
しっかりと足元を見つめて